ONLY YOU～身代わり見合い結婚は履行で。クールな上司は過保護な旦那様～

「ほのちゃん！！」

お義母さんが私に抱きついてきた。
「凄く感動したわよ。ほのちゃん・・・これで、ほのちゃんも私のお嫁さんね」

「乃彩…何を言ってるんだ？ほのちゃんは私のお嫁さんじゃなくて、徹也のお嫁さんだ」

「私としたことが…嬉し過ぎて…自分で何言ってるのか…分からなくなってたわ…純也さん」
「そっか…嬉しい気持ちは分かるぞ…乃彩」

「純也さん…」


「なかなか和式の挙式も良いと思ったぞ…徹也君」
「敦司様…」

敦司様は総理の椅子に座った有名人。

本来なら、長男である敦司様が家督を継ぐはずなのに、次男の祐介様が家督を継いだ。
何か事情があると思うけど、私は知らなかった。


「はぁー…ウチの倅はいつになれば、結婚するかな？」

三男で、『東亜医科大付属病院』の院長を務める伊集院千歳様がそう呟く。

「さあな…」

千歳様のご子息であり、『東亜医科大付属病院』の脳外科医の伊集院和寿さんが首を傾げた。

伊集院家の人たちに囲まれ、私は上手くやって行けるか少しだけ不安だった。