ONLY YOU~身代わり見合い結婚は履行で。クールな上司は過保護な旦那様~
徹也さんの話を訊き、彼が外回りに行っている間、司様の執務室を訊ねた。

「穂香さん…どうしたの?」

「あの…亨君の預かりの件で参りました」

「あ…」

私は司様に預かりの日時と訊き、美亜さんの携帯番号を訊き出した。

「お二人で映画と食事ですか…」

「まぁな・・・俺と美亜はできちゃった婚で・・・甘い新婚生活を味わえなかったからな…その点、徹也と穂香さんが羨ましいよ」

司様は羨ましそうに私を見つめた。

「二人の時間は本当に貴重だぞ。子供が生まれたら、軸は子供中心になるからな…」

「そうですよね…分かりました…私と徹也さんに亨君のお世話お任せ下さい」


「徹也に亨お世話頼むのはどうも不安だった。こうやって、穂香さんが来てくれて安心した。子育てのリハーサルだと思って頑張ってくれ」

「はい。伊集院家の大切な跡取りですし…気を付けますね」

「俺の父親が長男の敦司様に頼まれて、伊集院家の当主になっただけで、俺が継ぐワケじゃないよ…」

「じゃ誰が…継ぐんですか?」

「紡かな?」

「あ…紡さんか…」


「その話はおいて、亨の事頼むね…穂香さん」

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