ONLY YOU~身代わり見合い結婚は履行で。クールな上司は過保護な旦那様~
「君の母親が女将を務める『陽炎館』は多額の負債を抱えている。母親の親友である筒見副社長がそれを知って教務提携と言いながらも、事実上は『筒見リゾート』に吸収され、「ヘブンズグループ」の傘下に入って…「ヘブンズホテル・湯沢」としてリニューアルする予定だ」
「母はそんなコト一言も…」
「そりゃ、普通離婚して父に付いて行った君には言わないさ」
「そうかもしれないけど…」
「融資先はウチだし。筒見副社長の顔を立てるのなら、この話は断れない」
「でも・・・私は…課長に何のメリットも齎しませんよ…」
「・・・そうだな」
課長はあっさりと認めた。
「でも・・・君は母を笑顔にした」
「えっ?」
「久しぶりだよ。母があんなに楽しそうに笑ったのは・・・
だから、俺はこのまま、この話を進めたい」
「課長…!?」
「冷血だと鬼だとか言われてるけど…俺は妻となる女は大切するつもりだ」
課長の瞳が突然、甘い煌めきを宿し、優しい表情を湛える。
課長らしからぬ表情に私はどうしようもなく戸惑った。
「そろそろ帰るか?」
課長が先に腰を上げて私に手を差し伸べた。
私は課長の手を借りて立ち上がった。そして、部屋へと戻った。
「母はそんなコト一言も…」
「そりゃ、普通離婚して父に付いて行った君には言わないさ」
「そうかもしれないけど…」
「融資先はウチだし。筒見副社長の顔を立てるのなら、この話は断れない」
「でも・・・私は…課長に何のメリットも齎しませんよ…」
「・・・そうだな」
課長はあっさりと認めた。
「でも・・・君は母を笑顔にした」
「えっ?」
「久しぶりだよ。母があんなに楽しそうに笑ったのは・・・
だから、俺はこのまま、この話を進めたい」
「課長…!?」
「冷血だと鬼だとか言われてるけど…俺は妻となる女は大切するつもりだ」
課長の瞳が突然、甘い煌めきを宿し、優しい表情を湛える。
課長らしからぬ表情に私はどうしようもなく戸惑った。
「そろそろ帰るか?」
課長が先に腰を上げて私に手を差し伸べた。
私は課長の手を借りて立ち上がった。そして、部屋へと戻った。