ONLY YOU~身代わり見合い結婚は履行で。クールな上司は過保護な旦那様~
元カレへのささやかな復讐
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翌日、いつものように朝のルーティンをこなし、満員電車に揺られ本店ビルディングに出勤する。
すし詰めの車内で、スマートフォンを覗き、株価や円相場のチェックとニュースを読む。
姉の身代わりに上司の彼とお見合いをしてしまった私。
でも、昨日を境に上司と部下の関係だった私達は婚約者同士になってしまった。
どんな顔をしてか課長と会えばいいのか分からぬまま、本店ビルに入ってしまった。
私は彼に書類を渡そうと執務室を訊ねた。
「これが「帝和商事」に渡す書類です」
と課長にクリアファイルに挟んだ書類を渡す。
「ありがとう有村」
課長はいつものポーカーフェイスで書類を受け取った。
母親の乃彩夫人に『てっちゃん』と呼ばれバツの悪そうな表情をしていた課長を思い出して、思わず口許を緩めてしまった。
「有村…何笑ってんだ?」
「いえ、別に…」
翌日、いつものように朝のルーティンをこなし、満員電車に揺られ本店ビルディングに出勤する。
すし詰めの車内で、スマートフォンを覗き、株価や円相場のチェックとニュースを読む。
姉の身代わりに上司の彼とお見合いをしてしまった私。
でも、昨日を境に上司と部下の関係だった私達は婚約者同士になってしまった。
どんな顔をしてか課長と会えばいいのか分からぬまま、本店ビルに入ってしまった。
私は彼に書類を渡そうと執務室を訊ねた。
「これが「帝和商事」に渡す書類です」
と課長にクリアファイルに挟んだ書類を渡す。
「ありがとう有村」
課長はいつものポーカーフェイスで書類を受け取った。
母親の乃彩夫人に『てっちゃん』と呼ばれバツの悪そうな表情をしていた課長を思い出して、思わず口許を緩めてしまった。
「有村…何笑ってんだ?」
「いえ、別に…」