ONLY YOU~身代わり見合い結婚は履行で。クールな上司は過保護な旦那様~
佐々木君が私に好意を寄せている。
そんな誤解を解けぬまま、徹也さんと私は別れた。

朝礼を終え、徹也さんに頼まれていた資料を渡しに、執務室を訊ねる。

「ありがとう、穂香」

「佐々木君の件ですが…」

「佐々木が何だ?」

「課長の誤解ですからね、妙な嫉妬はしないでください」


「俺は別に嫉妬なんてしてないさ」

彼は受け取った資料をデスクにおいて、腰を上げる。

「大体、穂香は誰にでも優しいから、その…男の方が気があるのかと誤解するんだ」

「えっ?」

デスクを挟んで対面していた私達。
徹也さんが急に私の前に来た。

「私は別に、気を惹く為に優しくしてるわけじゃないありません」

まさか、そんな風に徹也さんに見られていたなんて心外だった。

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