ONLY YOU~身代わり見合い結婚は履行で。クールな上司は過保護な旦那様~
私は休憩を終え、『帝和銀行本店ビルディング』に戻った。
壁際には背の高いキャビネットを並び、パーティションで部門ごとにデスクが仕切られたワンフロアオフィス。
私と伊集院課長は『法人営業部渉外課』の不動産部門所属。
私は四年前に一般職で入行。
法人営業部所属で四年目の春を迎えたばかり。
『帝和銀行』が大手メガバンクとして都市銀行の筆頭に立ち、今年創立百六十年目となる老舗の金融機関。従業員数八千人。国内支店数四百五十店、海外支店二十五店。帝和ファイナンシャルグループの傘下に属している。
彼は伊集院純也頭取の一人息子で、いずれ、彼が頭取の椅子に座るとされている。
しかし、伊集院円副頭取にもご子息・司様が居る。目下一族で、頭取の椅子取りゲームの真っ最中。
「有村、戻ったか…書類の進行状況見たい…」
私の姿を見るなり、課長がデスクに近づいて来た。
「待って下さい…後で執務室にお持ちしますので、暫くお待ちください」
「分かった…」
課長は踵を返して執務室に戻った。
私は盛大な溜息を吐き、スリープしたノートパソコンを立ち上げる。
壁際には背の高いキャビネットを並び、パーティションで部門ごとにデスクが仕切られたワンフロアオフィス。
私と伊集院課長は『法人営業部渉外課』の不動産部門所属。
私は四年前に一般職で入行。
法人営業部所属で四年目の春を迎えたばかり。
『帝和銀行』が大手メガバンクとして都市銀行の筆頭に立ち、今年創立百六十年目となる老舗の金融機関。従業員数八千人。国内支店数四百五十店、海外支店二十五店。帝和ファイナンシャルグループの傘下に属している。
彼は伊集院純也頭取の一人息子で、いずれ、彼が頭取の椅子に座るとされている。
しかし、伊集院円副頭取にもご子息・司様が居る。目下一族で、頭取の椅子取りゲームの真っ最中。
「有村、戻ったか…書類の進行状況見たい…」
私の姿を見るなり、課長がデスクに近づいて来た。
「待って下さい…後で執務室にお持ちしますので、暫くお待ちください」
「分かった…」
課長は踵を返して執務室に戻った。
私は盛大な溜息を吐き、スリープしたノートパソコンを立ち上げる。