ONLY YOU~身代わり見合い結婚は履行で。クールな上司は過保護な旦那様~
荷物を纏め、俺の車のトランクに積み込んだ。

「これだけでいいのか?」

「あ、はい」

「急で悪いな…」

俺は車を発進させる前に、車内で穂香に謝った。

「私も徹也さんと同じキモチですよ」

「えっ?」

俺は穂香の言葉に驚く。

「離れたくないです」

「穂香・・・」

彼女は頬を染めて俯く。

「あ、そっか…」

婚外子だった父。
伊集院家の中で生きて行く為には強い後ろ盾のある女性を妻に持とうとメリットばかりを求めて来たが・・・

俺の選んだ女性は部下の穂香。


でも、彼女は母さんに再び笑顔を取り戻させた。(同じ推しのルキを通してだが)

俺と父さんが長年できなかった事をなし得てくれた。

心の中で改めて、彼女に感謝した。
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