ONLY YOU～身代わり見合い結婚は履行で。クールな上司は過保護な旦那様～

「穂香お前…今俺の事、お邪魔だと思っただろ？」

彼は私の耳許で囁いた。


彼はもしかしてエスパー？


私の心の声が聞こえたのかな？

「頭取、隣に座るお二人は？」

「あ…紹介する息子と婚約者だ。同じ法人営業部に勤務している」

「へぇー…ご子息ですか…初めまして…有坂ルキです」

ルキ君は腰を上げた。

私たちも思わず腰を上げて、挨拶する。

「俺は伊集院徹也だ・・・」

いつものクールな表情で自己紹介。

「私は婚約者の有村穂香です」

緊張しながらもなんとか自己紹介を終え、心の中で安堵する。
「ほのちゃんは私よりもルキ君のファン歴長いのよ」

「俺のファンですか…いつも応援ありがとうございます」

「だから…握手してあげて」
「わかりました・・・」