ONLY YOU~身代わり見合い結婚は履行で。クールな上司は過保護な旦那様~
徹也さんの方が先に唇を離した。

私たちの乗るエレベーターに副頭取と秘書の関根さんが入って来た。

「司ならともかく…徹也君が社内でキスするなんて…驚きね」

私たちは法人営業部フロアまで、副頭取の説教を受けてしまった。

「本当に申し訳ありませんでした…」

二人で深々と頭を下げて、エレベーターから出た。


彼は盛大な溜息を吐く。

「俺…暫く、副頭取と顔を合わせられない・・・」

落ち込みの激しい徹也さんを励まそうと言葉を紡ぐ。

「大丈夫ですよ。副頭取はサバサバした性格ですから…一晩立てば、忘れてますよ」

「くそっ…全部…アイツのせいだ・・・」

彼の怒りの矛先が別方向に向いた。

「えっ?」

「全部…ルキのせいだ・・・」

彼はルキ君に怒りを向けた。

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