ONLY YOU~身代わり見合い結婚は履行で。クールな上司は過保護な旦那様~
喧嘩したまま別れてしまった。
私もフロアに戻り、デスクの椅子に腰を据え、仕事していたが、目は彼の執務室のドアを見ていた。

執務室のドアが開く。

私は一言謝ろうと腰を上げたが、彼は私の視線にも気づかず、野々村部長と河出課長共にフロアを出た。

完全な仕事モードになっている徹也さんには近づく事もできない。

*******
私たち事務員は普段通り仕事をこなしていたが、管理職クラスの徹也さんたちは其れどころではなかった。
大手自動車メーカーの倒産。

我が銀行にどういった影響を及ぼすのか、計り知れなかった。

「!?」

彼が私のスマホの『LINE』にメッセージを送信して来た。

内容を見ると『今夜は帰れそうにない』

可愛い猫ちゃんの誤りスタンプ付き。

「そっか…」

私も了解しました、さっきはゴメンなさいと素直に謝った。

すると

『俺もゴメン。穂香言う通り変な嫉妬していた』

と徹也さんも素直に謝って来た。



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