色になる君
「………はよ。」



「お、おはよ!」



部屋に入ると、まだ寝起きなのか
とりあえず着替えてみました。みたいな感じのダルそうな月緋君が、ベッドの上に座っていた。




「ごめん、なんか私もここに来るって今知って、千花に騙されて、どうしていいのか分からない……というか。」




「夜空焦りすぎ。」


ちょっと笑いながら空くんに突っ込まれ、




「騙したとか人聞き悪いー!!!
せっかく、お礼言えるチャンスを持ってきてあげたのに〜!」


千花からも野次が飛んできた。




「お礼?なんかしたっけ?俺ら。」


月緋くんに至っては、まだ頭が回っていないのか目の前の出来事を把握しきれてないみたい。



「昨日、千花が倒れて、どうしたらいいのか混乱してた時に、ちょうど2人が来てくれて……、助かったからずっとお礼言いたくて、だから、ありがとう。」

 


「そんなの気にすんな!むしろ、昨日はクラスで回るとこばっかりだったからサボれてちょうど良かった!」




「千花もお礼言うね?
その、女の子の事情というやつで少々無理をしてしまって……。」




「ダイエットな。」



「ちょ、ちょっと!空君そういうことはデリケートに包んでね??」



からかわれて少し嬉しそうな千花。


それをいたづらな笑みを浮かべて見つめる
空君。


なんだかいい感じ。
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