色になる君
空に花火が次々と浮かんでいく中、
周りの人々は次々に倒れていった。
幼いながらに、よくないことが
起きていると、
逃げなきゃと、
そう思ったのに、足が動かなかった。
儚く、すぐ散るはずの花火が
あんなに長く、そして怖いものに見えたのは
初めてだった。
ここで私の記憶は途絶えて、
次に目を開けたときには
大好きだったお姉ちゃんとともに
私の世界から色が消えていた。
こんな忌々しい記憶二度と、二度と
思い出したくない。