色になる君
「中井君?」
「お!桜井さんって、いつもと雰囲気違う!俺こっちの方が好きかも!」
「え?あ、ありがと〜。」
び、びっくりした。
急に大声出して、
近づいてくるから、ほんとにびっくりした。
「寝れた?俺なんかうきうきして
寝れなかったわ。」
私みたいに戸惑った様子もない中井君。
なるほど、これがモテる男の
ナチュラルさか。って、何言ってんだ私。
でも、
やっぱり、楽しみだよね、修学旅行。
「楽しみだよね〜!でも、私は爆睡でした。」
「ふふっ。桜井さんっぽいね。」
「そうかな?」
その後少し沈黙が続き、
「じゃあ、私先に行くね。」
「え?なんで?一緒に行かないの?」
あ、こういう時って一緒に行くもんなのかな。でも、中井君といると、
後がちょっとめんどくさそうだし、
なんだか千花にも申し訳ない。