色になる君

「私、お手洗いよるから先行ってたほうが……。」   




「あーごめんごめん。気が回らなかったわ。荷物、一緒に預けとくよ。貸して?」

  
 

あー、これも何だか噂が立ちそうだけど、
断りにくいし、どうしよう……。



「桜井、俺が持ってく。」 



後ろから急に声が聞こえると思ったら、
私の手からスーツケースをヒョイっと取って、



テクテク歩いて行く青川君。




「あ、おい!月緋!おーい!何かごめんな。荷物は任せといて!お手洗い、行ってきなよ!」 




「いやこちらこそなんか、ごめん!
お願いします。」



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