第一王子に、転生令嬢のハーブティーを II
10.届いた手紙
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ハーリッツ家で過ごす時間は、この国に来てから一番穏やかでゆったりと癒されるものだった。
遠くに海が見える部屋でレミリアとお茶をしたり、この国で流行りの型のドレスを着させてもらったり、アリシア好みの小説を教えてもらったり。
レミリアがいない時には、エドモンドにたっぷり惚気話を聞かせてもらった。
そんなこんなで4日が経った日のことだった。
「お嬢様。お嬢様宛てにお手紙が届いています」
部屋で教えてもらった小説を読んでいたアリシアの元にノアがやってきた。どこかで見たことのある立派な封筒を手渡され、アリシアは首をかしげる。
「わたしに手紙?いったい誰から?」
旅行先にまでわざわざ手紙を送ってくるような人に心当たりがない。その差出人の名を見てさらに驚いた。
(えっ?デュラン殿下……??)
グランリア王国第三王子。アリシアの婚約者の弟。
歳は一つ下で、個人的に話をしたことはあまりない。
内容が全く予想できず、アリシアは変にドキドキしながら封を切る。中から出てきた紙は、外の封筒とは不釣り合いな、見るからに安価なものだった。
その紙に書かれた文字を見て、ようやく納得した。
ハーリッツ家で過ごす時間は、この国に来てから一番穏やかでゆったりと癒されるものだった。
遠くに海が見える部屋でレミリアとお茶をしたり、この国で流行りの型のドレスを着させてもらったり、アリシア好みの小説を教えてもらったり。
レミリアがいない時には、エドモンドにたっぷり惚気話を聞かせてもらった。
そんなこんなで4日が経った日のことだった。
「お嬢様。お嬢様宛てにお手紙が届いています」
部屋で教えてもらった小説を読んでいたアリシアの元にノアがやってきた。どこかで見たことのある立派な封筒を手渡され、アリシアは首をかしげる。
「わたしに手紙?いったい誰から?」
旅行先にまでわざわざ手紙を送ってくるような人に心当たりがない。その差出人の名を見てさらに驚いた。
(えっ?デュラン殿下……??)
グランリア王国第三王子。アリシアの婚約者の弟。
歳は一つ下で、個人的に話をしたことはあまりない。
内容が全く予想できず、アリシアは変にドキドキしながら封を切る。中から出てきた紙は、外の封筒とは不釣り合いな、見るからに安価なものだった。
その紙に書かれた文字を見て、ようやく納得した。