第一王子に、転生令嬢のハーブティーを II



「アリシアちゃんっ、今日は一緒の部屋で寝ましょ!」



 夕食を終え居間でくつろいでいた時、レミリアがアリシアの腕をぎゅっとつかみ唐突に言った。



「もちろん構いませんけど……」


「なら決まり!ごめんなさいエド様、寂しいかもしれないけど今日は一人で寝てちょうだいね」


「はは、了解。僕は邪魔しないから姉妹水入らずの時間を楽しんで」


「ですってアリシアちゃん。エド様の許可も出たことだし、早速アリシアちゃんの部屋に行きましょ」


「え、もう寝るんですか?まだ少し早い気が……」


「嫌ねえ、一緒に寝るって言ったって、ただただ隣で寝ようってことじゃないわよ。あたしはアリシアちゃんとゆっくりお話したいの!」



 レミリアは座っていたアリシアを引っ張りあげて方向を変えると、その背をグイグイと押す。

 そして居間を出る直前に何かを思いついたようにエドモンドの方を振り返る。



「そうだエド様、後でホットミルクを作って届けて欲しいなあ」


「はいはい。熱すぎないやつね。アリシアさんの分も作っておけば良いんだね」


「ええ、さっすがエド様!愛してるわ!」



 レミリアは鼻歌でも歌い出しそうなほど上機嫌にアリシアを押して部屋へ続く廊下を歩く。


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