第一王子に、転生令嬢のハーブティーを II
「ふふふ。何となく話はわかったわ。ディアナ王女のことはもちろんあたしも知っているわ。いかにも"可愛い"って感じのお方よね」
「はい……」
「そう。王女はイルヴィス様のことが、アリシアちゃんと婚約する前から好きだったのね。で、アリシアちゃんは王女に嫉妬すると同時に罪悪感も覚えていて、今は色んな感情がグルグルしてる……って感じなのかしら?」
「あっ、はい。まさにそんな感じです」
「あああいいな、若いわぁ」
そう言ってレミリアはまたクスクス笑う。
その後、にわかに真剣な眼差しになり、その目をアリシアに向けた。
「アリシアちゃん……甘いわ」
「あまい……?」
「あのね、好きな人が自分以外の人と親しくしていて嫉妬しちゃうのは当たり前!あと相手が誰であろうと罪悪感を覚える必要はなし!」
「……!」
「というか王女がイルヴィス様のことをどれだけ好きだろうと、彼の婚約者は正真正銘アリシアちゃんでしょ?たとえアリシアちゃんに彼への気持ちがなかったとしても、『わたしの婚約者にベタベタしないで』って牽制して良いぐらいなのよ?」
まあ他国の王女様にそんなことを言えるかと聞かれれば別かもしれないけど。強い言い方をしてしまったと思ったのか、レミリアは少し落ち着いた声で付け足し、アリシアの頭を優しく撫でた。