第一王子に、転生令嬢のハーブティーを II
11.約束
□
ハーリッツ家で過ごすのも残り二日。
まだ時間はあるものの、アリシアは荷物を片付けたり、使わせてもらっていた部屋を整頓したりと早めに準備を進めていた。
ずらしていた机の位置を戻し、読んで出しっぱなしにしていた本を棚に戻す。
そしてクローゼットの中に何も残っていないか確認したとき、奥の方に何かがあることに気が付いた。
(何かしら……本?ではないか)
割と古そうな四角い冊子。本というよりはノートといった感じで、開くと細かな字がびっしりと書いてあった。軽く目を通すと、どうやら誰かの日記帳らしいとわかる。
(なになに……『奥様のお腹が少し大きくなってきていた。二人目のお子様ということもあり、前よりも少し楽そうにしていらっしゃる。どうかこのまま無事にお生まれになりますように』か)
しばらく読み進めていって、どうやらこの日記の筆者は、この屋敷の昔の主──クラム公爵に仕えていた使用人らしいとわかった。
クラム家の本邸ではなく、ここの屋敷で住み込みで働いていた人のようだ。公爵家の人たちが来た日にはやはり仕事に気合いが入るのか、その日のページはいつもより文章量が多い。
ハーリッツ家で過ごすのも残り二日。
まだ時間はあるものの、アリシアは荷物を片付けたり、使わせてもらっていた部屋を整頓したりと早めに準備を進めていた。
ずらしていた机の位置を戻し、読んで出しっぱなしにしていた本を棚に戻す。
そしてクローゼットの中に何も残っていないか確認したとき、奥の方に何かがあることに気が付いた。
(何かしら……本?ではないか)
割と古そうな四角い冊子。本というよりはノートといった感じで、開くと細かな字がびっしりと書いてあった。軽く目を通すと、どうやら誰かの日記帳らしいとわかる。
(なになに……『奥様のお腹が少し大きくなってきていた。二人目のお子様ということもあり、前よりも少し楽そうにしていらっしゃる。どうかこのまま無事にお生まれになりますように』か)
しばらく読み進めていって、どうやらこの日記の筆者は、この屋敷の昔の主──クラム公爵に仕えていた使用人らしいとわかった。
クラム家の本邸ではなく、ここの屋敷で住み込みで働いていた人のようだ。公爵家の人たちが来た日にはやはり仕事に気合いが入るのか、その日のページはいつもより文章量が多い。