第一王子に、転生令嬢のハーブティーを II
「よしアリシア殿、もっと探してみよう。大きさはあまり大きすぎないものが良いな!」
「え?」
「あとは綺麗な貝殻なんかもあればいくつか集めておいてくれ」
「集めてどうするんです?」
「それは後のお楽しみだ」
「はあ……」
首をかしげつつも、この白くて広い砂浜で宝探しをするようでワクワクする。
美しい貝殻はたくさん落ちているのだが、割れていたりヒビが入っているものも多く、完全な形のものは意外に少ない。シーグラスの方も、貝殻に紛れて時々見つかる程度でなかなか見つけられない。
それでも数十分探した結果、シーグラスは白いものを三つに青い小さなものを二つ。貝殻は片手で持っていられる限界くらいまで見つけた。
それらを落とさないように両手で持ってカイの元へ戻ると、彼はアリシアが見つけた倍くらいの量を集めていた。何か見つけるコツがあるのだろうか。
「アリシア殿もずいぶんと集められたようだな」
「砂浜にこんなに宝物が隠れていたんですね。どれもすごく綺麗で、部屋に飾っておきたいくらい」
うっとりとした表情で貝殻たちを見つめるアリシアに、カイはニヤリと笑って言う。
「はは、部屋に飾るのも良いが、もっと良い方法があるぞ」