第一王子に、転生令嬢のハーブティーを II


 イルヴィスは息を切らしながら、うわ言のようにアリシアの名をもう一度呟き、彼女に寄りかかった。



「で、殿下……って、あつ!すごい熱じゃないですか!!」



 アリシアは悲鳴のような声を上げる。



「誰か!誰かいませんか!?殿下、しっかりしてください!誰か!……」



 彼女の慌てて周囲に助けを求める声が、だんだん遠くなっていくような気がした。


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