第一王子に、転生令嬢のハーブティーを II
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『カイ様が本当に好きなのは、わたしではありません。あなたが本当に好きなのは──恋をしている相手は……あなたの妹、ディアナ王女……なのではありませんか?』
カイと二人で出かけたあの日。
ハイビスカスティーを飲みながら、話をしていたアリシアは、カイにそう問うた。
アリシアにまっすぐ見つめられたカイは、ピクリと眉を動かすと声を上げて笑う。
「はは、何を言い出すかと思えば。俺はディアナの兄だぞ?そりゃあディアナのことは好きだが、それは妹として……」
「目が泳いでますよ」
「うっ……」
指摘され、カイは言葉に詰まった。
その反応がすでにほとんど肯定しているようなものだったが、しばらく黙った末に改めて言った。
「俺はわかりやすいのか?」
「まあ、わたしが気付くくらいには」
「そうか……いや、だが普通に考えて実の妹に恋をしている、などと疑うものか?」
アリシアはギュッと唇を結び、少し考える。
今から言う話は、ただの状況証拠を元にした推論であり想像。全くの検討はずれなら、好きなだけ笑ってほしい。
そう前置きして話し出したが、正直に言えばカイの想い人がアリシアでなくディアナであることは、ほぼ確信していた。
『カイ様が本当に好きなのは、わたしではありません。あなたが本当に好きなのは──恋をしている相手は……あなたの妹、ディアナ王女……なのではありませんか?』
カイと二人で出かけたあの日。
ハイビスカスティーを飲みながら、話をしていたアリシアは、カイにそう問うた。
アリシアにまっすぐ見つめられたカイは、ピクリと眉を動かすと声を上げて笑う。
「はは、何を言い出すかと思えば。俺はディアナの兄だぞ?そりゃあディアナのことは好きだが、それは妹として……」
「目が泳いでますよ」
「うっ……」
指摘され、カイは言葉に詰まった。
その反応がすでにほとんど肯定しているようなものだったが、しばらく黙った末に改めて言った。
「俺はわかりやすいのか?」
「まあ、わたしが気付くくらいには」
「そうか……いや、だが普通に考えて実の妹に恋をしている、などと疑うものか?」
アリシアはギュッと唇を結び、少し考える。
今から言う話は、ただの状況証拠を元にした推論であり想像。全くの検討はずれなら、好きなだけ笑ってほしい。
そう前置きして話し出したが、正直に言えばカイの想い人がアリシアでなくディアナであることは、ほぼ確信していた。