第一王子に、転生令嬢のハーブティーを II
文字でそう書いてあっただけなので、本当に夫人がディアナと似ているのかはわからない。前世のように写真などがあればよかったが、残念ながらそれもない。
「……瞳の色は俺もディアナと似ていると思うのだが」
「ええ、よく似ています。だけど逆に、瞳の色以外は全然似ていないな、と初めて王女を見た時から思っていたんです」
「それはよく言われる。俺と、アリシア殿は会ったことないだろうが兄はよく似ているんだ。だがディアナは似ていない」
カイは腕を組み、諦めたようにふっと笑った。
「他には?ディアナが本当の王女ではないとどこから疑った?」
「ええと……今さらですけど、こんな話をわたしにして大丈夫ですか?」
「本当に今さらだな。まあ大丈夫だ、あなたはこれを知ったところで言いふらしたりしないだろう?」
「もちろんです」
こくりと力強くうなずく。それからハイビスカスティーで口を潤しつつ、また話し始めた。
「国王様がディアナ王女を他国へ嫁がせようとしない、という話がありましたね。その話も少し違和感がありました。普通は望まれているなら他国に嫁がせた方が、その国との繋がりもできますし、良いはずです」