第一王子に、転生令嬢のハーブティーを II
3.婚約者の幼なじみ
□
「お茶を三人分ですか?」
「はい。お客様が一人いらっしゃっているのでそうするようにと殿下が」
ニーナとお茶をしたり旅人の青年を助けたりと、何かと充実した時間を送ったその翌日。
いつものようにお茶の準備に取り掛かろうとしていたアリシアに、イルヴィスの側近がそう伝えた。
「わかりました。でも、お客様がお見えなら、わたしは邪魔しない方が良いのでは?」
客の数は一人だというのにお茶は三人分ということは、多分一つはアリシアの分なのだろう。
そう思い首を傾げると、側近の彼は笑顔で言った。
「殿下はアリシア様にも同席してもらいたいようです。さしずめ貴女のことを自慢……もとい紹介したいのでしょう」
「ああ、そういうことなら」
アリシアは了承して側近の彼に会釈する。
そして、彼が立ち去った後に、肝心の客が誰なのか聞いていないことに気がついた。
(うーん、ほとんどの有力家には直接挨拶をして認知してもらったはずだし……となると殿下と個人的付き合いがある人、とかかしら)
アリシアは気合いを入れて、今度こそお茶の準備を始める。
「お茶を三人分ですか?」
「はい。お客様が一人いらっしゃっているのでそうするようにと殿下が」
ニーナとお茶をしたり旅人の青年を助けたりと、何かと充実した時間を送ったその翌日。
いつものようにお茶の準備に取り掛かろうとしていたアリシアに、イルヴィスの側近がそう伝えた。
「わかりました。でも、お客様がお見えなら、わたしは邪魔しない方が良いのでは?」
客の数は一人だというのにお茶は三人分ということは、多分一つはアリシアの分なのだろう。
そう思い首を傾げると、側近の彼は笑顔で言った。
「殿下はアリシア様にも同席してもらいたいようです。さしずめ貴女のことを自慢……もとい紹介したいのでしょう」
「ああ、そういうことなら」
アリシアは了承して側近の彼に会釈する。
そして、彼が立ち去った後に、肝心の客が誰なのか聞いていないことに気がついた。
(うーん、ほとんどの有力家には直接挨拶をして認知してもらったはずだし……となると殿下と個人的付き合いがある人、とかかしら)
アリシアは気合いを入れて、今度こそお茶の準備を始める。