第一王子に、転生令嬢のハーブティーを II



「10歳の誕生日を迎えた時です。母上と二人で話す機会があって、そこで聞きました」


「……そんなに前に」


「もともと、父上とも母上とも、そして兄さんたちとも似ていないというのは何となく感じていましたから、ショックだった反面、納得もしました」



 母は真実を告げた後、それでもディアナは自分の娘だと言って抱きしめてくれた。そのおかげで、まだ落ち着いて受け入れられたと思う。

 このことは他言してはならないと強く言い聞かされたので、ずっとそのことは自分の中にしまいこんでいた。

 だが──



「ねえ兄さん。私、これからどうするべきなのでしょう」



 これまで通り、王女として周囲を欺き続けるか、それとも真実を公表するのか。

 ディアナがどのような選択をしても応援しています。アリシアはそう言ってくれた。



 じっとカイを見つめて答えを待つ。

 と、彼はディアナが少しも想像していなかったことを口にした。



「俺と結婚する、というのはどうだ?」



 しばらく意味が理解できなかった。言葉の意味はわかるが、突然すぎて頭が全く追いつかない。



「突然だと思うかもしれないが、俺は昔からずっと、お前のことが好きだった」


「は……?でも、私たちは兄妹……いえ、実の兄妹ではありませんけど……でも今までそんなこと一度も……」


< 231 / 243 >

この作品をシェア

pagetop