第一王子に、転生令嬢のハーブティーを II
8.お茶係
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ルリーマ王国の城に到着してから三日が経った。
一日目に苦い紅茶を飲まされたところから始まった嫌がらせは、結局ずっと続いている。
ノアがほんの少しの時間であっても部屋に鍵をかけるようにしたため、部屋の中が荒らされるということはなくなったが、食事の際に出されるお茶は三回に一回の割合であの苦いものが出てくる。まあそのお茶もアリシアは意地になって飲み干しているが。
もし毒が盛られでもしたら、そのときは迷わず騒ぎにするつもりだったのだが、幸か不幸かそこまで過激なことはない。
そして今日は、部屋のドアを開けたところに水が撒かれていた。
「……そろそろネタ切れなのかしらね。水を撒く系は四回目よ」
一回目は歩いてくるのを見計らったようなタイミングで目の前にバケツの水をこぼされ、二回目は今回と同じように部屋の前に水が撒き散らされ、三回目はバルコニーに出ていたとき上からそこそこの量の水が降ってきた。
嫌がらせをするとはいっても、命を危険に晒すようなタチの悪いものはなく、それゆえかパターンが少ないようだ。物を壊されるようなことも初日のワンピース以降はない。
ルリーマ王国の城に到着してから三日が経った。
一日目に苦い紅茶を飲まされたところから始まった嫌がらせは、結局ずっと続いている。
ノアがほんの少しの時間であっても部屋に鍵をかけるようにしたため、部屋の中が荒らされるということはなくなったが、食事の際に出されるお茶は三回に一回の割合であの苦いものが出てくる。まあそのお茶もアリシアは意地になって飲み干しているが。
もし毒が盛られでもしたら、そのときは迷わず騒ぎにするつもりだったのだが、幸か不幸かそこまで過激なことはない。
そして今日は、部屋のドアを開けたところに水が撒かれていた。
「……そろそろネタ切れなのかしらね。水を撒く系は四回目よ」
一回目は歩いてくるのを見計らったようなタイミングで目の前にバケツの水をこぼされ、二回目は今回と同じように部屋の前に水が撒き散らされ、三回目はバルコニーに出ていたとき上からそこそこの量の水が降ってきた。
嫌がらせをするとはいっても、命を危険に晒すようなタチの悪いものはなく、それゆえかパターンが少ないようだ。物を壊されるようなことも初日のワンピース以降はない。