第一王子に、転生令嬢のハーブティーを II
「なるほどなるほど。ちなみに、キスは初めてということでしたが、それは前世も含めてですか?」
「ええまあ……」
「ふむふむ。では前世で誰かとお付き合いした経験なんかは」
「ないわ。前世ではまともに学校へも行けてなかったから、そもそも友だちだっていなかったし」
「ああ、重い病気を患ってらしたんでしたね。なら初恋とかは……」
「……ねえ、この質問何か意味があるのかしら?」
「いいえ?単なるあたしの興味です」
「ちょっと!」
素直に答えて損した。悔しい。
「そういうニーナさんはどうなのよ?今はデュラン殿下一筋でしょうけど」
「前世の恋愛遍歴ですか?あー……高校生ぐらいまでは割と恋多き女でしたね。でも漫画の中のデュラン様に出会ってからは、現実の男に魅力を感じなくなっちゃったんですよね。だから前世と合わせてデュラン様に20年以上恋してます」
「おおっ」
それはすごい。色々と。
「って、あたしの話はどーでもいいんですよ!今はアリシア様の話をしてるんですから」
ニーナは口を潤すためにカモミールティーを一口すすり、ふと真剣な表情をした。
「アリシア様は、イルヴィス殿下が自分のことをどう思っているのか気になってるんですよね?だけどまず、アリシア様は彼のことをどう思ってるんですか?」
「えっ、それは……」