第一王子に、転生令嬢のハーブティーを II
9.姉夫婦
□
「アーリーシーアーちゃーん!」
「うわっ!レミリア姉様……!」
王城でアリシアに嫌がらせをしてきたうちの一人であるお茶係のカーラ・ブラントに接触した翌日。
アリシアは予定通り、ノアと共に、姉のレミリアが住む屋敷に訪れていた。
屋敷に着いたアリシアを迎えたのは、使用人ではなくレミリア本人だった。ゆったりめのワンピースにふんわりした髪を下ろした夫人らしい装いの彼女は、玄関先でアリシアの姿を認めるなり、すごい勢いで駆け寄り抱きしめてきたのだ。
「遠くから遥々よく来たわね!会いたかったわ!」
「わたしもです……けど、苦しいのでそろそろ離してください……」
腕に力を込めたまま離れようとしない姉にアリシアは苦しげな声を上げるも、レミリアが力を緩める様子はない。
すると屋敷の奥からバタバタと慌てたような足音がしてきて、人の良さそうな30代くらいの男性が姿を見せた。
「れ、レミリアさん!落ち着いて!あんまり暴れると身体に響くから」
「えー?」
アリシアは不満そうに口をとがらせるレミリアに抱きしめられた状態のまま、男性の方に顔を向けた。
「お久しぶりですエドモンド様。数日お世話になります」
「お久しぶりです。ようこそいらっしゃいましたアリシアさん」
「アーリーシーアーちゃーん!」
「うわっ!レミリア姉様……!」
王城でアリシアに嫌がらせをしてきたうちの一人であるお茶係のカーラ・ブラントに接触した翌日。
アリシアは予定通り、ノアと共に、姉のレミリアが住む屋敷に訪れていた。
屋敷に着いたアリシアを迎えたのは、使用人ではなくレミリア本人だった。ゆったりめのワンピースにふんわりした髪を下ろした夫人らしい装いの彼女は、玄関先でアリシアの姿を認めるなり、すごい勢いで駆け寄り抱きしめてきたのだ。
「遠くから遥々よく来たわね!会いたかったわ!」
「わたしもです……けど、苦しいのでそろそろ離してください……」
腕に力を込めたまま離れようとしない姉にアリシアは苦しげな声を上げるも、レミリアが力を緩める様子はない。
すると屋敷の奥からバタバタと慌てたような足音がしてきて、人の良さそうな30代くらいの男性が姿を見せた。
「れ、レミリアさん!落ち着いて!あんまり暴れると身体に響くから」
「えー?」
アリシアは不満そうに口をとがらせるレミリアに抱きしめられた状態のまま、男性の方に顔を向けた。
「お久しぶりですエドモンド様。数日お世話になります」
「お久しぶりです。ようこそいらっしゃいましたアリシアさん」