ふしだらな猫かぶりからの溺愛
「そっか〜仁那ちゃんもそっち側の人だったのか〜、しかもうちに出演ってことは店長も認めた確かな実力があるんだもんな、これは今日のステージ楽しみだわ!」

「期待に応えられるかわからないけど頑張るね〜」


いつも明るい秦野さんと一度分かれて、早めに神奈さんと一緒に中に入って準備をしていると、あっという間に時間が来てしまった。



わぁ、さすが今までのとことは大きさが違うから人も多いなぁー。

ステージ脇からちょっと覗いていると藍と彼氏の姿が見えた。

今までも何度か聴きに来てくれたけど、今日のも行くと連絡をくれていた藍は彼氏と楽しそうに話ながらステージを見つめて待っている。

よし!

気合いを入れてギター片手にステージに足を踏み出すタイミングで、


「今日は失敗しなかったらなんかご褒美あげようかな」


神奈さんが急に後ろから声をかけてくるから、思わずちょっとつまづいてしまった。

え?なに?ご褒美?
ていうか私、失敗するかもなの?

振り返ったときにはもうステージに身体が出てしまっていて、そのタイミングで照明が変わり拍手がわく。

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