ふしだらな猫かぶりからの溺愛
「こんばんは、初めてましてNinaと言いま……」
挨拶も言い切らないうちに私の口は動かなくなってしまった。
たくさんの人がいて、その全てが私を見ているわけではなかったけど、でも。
確実に私を見ている突き刺さるような視線。
つり目で猫のような綺麗なアーモンドアイ。
毛先が無造作にくるくると跳ねているミルクティーのようなエクルベージュの髪。
――数ヶ月ぶりに見るRUIさんは身震いがするほど変わらない美しさで真っ直ぐに私を見ていた。