ふしだらな猫かぶりからの溺愛
「私は終わるまでこのホテルで待ってるよ」

「……ふぅん、わかった」


瑠衣の視線がチラッと大月さんを見た気がした瞬間、身を(かが)め私の眼鏡を抜き取ると、



「俺のだから」



よくわからない主張をして、相変わらず綺麗な猫目をいたずらっ子のように軽く細め――公衆の面前でキスをしてきた。




なっ……!

「〜〜っ、瑠衣!」

「可愛いなぁ、離れたくなくなったんだけどー」

「うるさいうるさいっ」

「早く終わらせてすぐ戻ってくる〜」


私の眼鏡を持ったままひらひらと手を振り、みんなの行った方へゆっくりと歩いて行った。

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