ふしだらな猫かぶりからの溺愛
瑠衣の頬が私の頭の上で甘えるように擦り寄ってから、


「あぁ〜、仁那ちゃん勘弁して〜」

少し思い詰めたような声を出す。


「えー?」

「仁那が可愛いすぎて俺ほんとに我慢がつらい」

「我慢?なんの?」


今日の待ち合わせのときにも聞いた“我慢”の単語が、再び理解できなくて聞き返す。


「仁那、人前でキスするのとか恥ずかしがるじゃん〜」

「え!?当たり前だよー」

「俺は仁那が本当に大切だから仁那の嫌がることは絶対にしたくないの」

「……瑠衣」

「だけどこーんなに可愛い仁那ちゃんにキスするのを我慢するのもつらいし、俺のだからみんな取らないでねって態度で示せないのもつらい」


そう言って瑠衣の頭が私の肩にこてんと当たる。

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