ふしだらな猫かぶりからの溺愛
自分では何にかに熱中したり夢中になったりしない性格かと思ってたけど、違ったらしい。

今までそれほど好きになれるものがなかっただけだった。


「え!瑠衣くん今日は私と遊んでくれるんじゃなかったのー!」

「え〜そんな約束してないよ」

「だって昨日はゆっこと遊んでたじゃん!今日は私でもいいでしょー」

「ムリ、今日はモモタと神奈と用事あるから」

「もーう!じゃあ明日ね?明日はいいでしょ?」

「まあ、明日の気分次第でもいいなら〜」

「ほんとに!?やったー!じゃあ明日ね、瑠衣くん!あ、モモタと神奈くんもばいばーい」

「……俺らはついでか」


中学に入ってからやたらと女の子から声をかけられるようになった。

1年のときに先輩から言い寄られて、たまに遊んでいたけど同級生の子たちは誰も話しかけては来なかったから俺は歳上に人気があるのかと思ってた。

それを神奈に言ったら「先輩が怖くてみんな遠慮してんだよ」ってよくわからない言葉が返ってきた。


2年になった今では同級生の子もこうして何人か声をかけてくるけど、何でそんなに俺と遊びたいのかはやっぱりよくわからない。
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