ふしだらな猫かぶりからの溺愛
「お兄さん目が猫みたいだなって思ってたけど歯もちょっと猫みたいー!」

「えぇ〜、俺そんなこと言われたの初めてなんだけど〜」

「えー、猫ちゃん嫌だった?可愛いのにー」


3〜4歳下に見える女の子に可愛いと言われてしまった。

そんな形容詞、俺よりも絶対この子のほうが似合ってるのに。


「猫は嫌いじゃないよー、けど俺よりも君のほうが猫っぽい」

「え?わたし?なんでぇ?」

「ほらこれ」



隣で俺を真っ直ぐ見上げるその子の瞳の色は――とてもきれいな薄墨色だ。

吸い込まれそうなくらい美しいその瞳をもつ少女に次に会ったときには、容姿もまた美しく変わっていたけど、すぐに君だってわかったよ。



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