ふしだらな猫かぶりからの溺愛
「……えぇっ!?知ってたの!?」


私のあまりコシのないココアブラウンの細い髪が絡まっているのを解いてくれている瑠衣を、信じられないくらい動揺しながら見つめる。

髪から視線を外して私と目を合わせ「はい、解けた〜」といつものようにのんびりと言いながら今度はその髪にちゅっと唇を寄せた。


「事務所のカフェにバレリーナがいてね」

「え?」

「練習スタジオで神奈が自分は食べないのに笛ラムネ買ってきてー」

「……あ」

「神奈はなんかかくれんぼしてるとか言ってるし?」

「あぁー……」


数々の心当たりのある出来事になにも言えずに目を泳がせてると、瑠衣が私の髪から離した唇をゆっくりと首筋に沿わすように近づく。

瑠衣に内緒で始めたかくれんぼ。

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