ふしだらな猫かぶりからの溺愛
「なんで？そういえば歌手デビューもなんで俺に内緒だったの？俺、反対しないよ？」


うん、反対しないのはわかってたよ。

だけどね。


「私には自分の音楽活動よりもashの、RUIの作る音楽のほうが大切なの」


大好きなRUIの、大好きなashの曲。

私の拙い音楽人生にとても大きな影響を与えてくれた、大切な音楽。


初めてライブハウスで聴いたときの衝撃と感動は今でも鮮明に思い出せる。


「私はashの音楽のいちファンとして、大好きなRUIの歌をずっと聴き続けたいから瑠衣の応援をしたいしサポートをしたいの。自分の音楽のために瑠衣の邪魔や応援ができなくなるのは嫌なの……」


瑠衣は優しいから私が音楽活動を始めたらきっと私を優先してくれる。家事や私生活での支えが今よりも出来なくなったとしても。

だけど、そうなって少しでもRUIの活動に支障が出たら私は自分自身を許せないだろう。

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