ふしだらな猫かぶりからの溺愛
虹色
微睡む意識の中ぼんやり感じるのは、首のあたりのくすぐったいような感触。
身体の下になっている右手が動かないので、左手でそのくすぐったさの原因を探すように動かせばふわふわとした柔らかい髪の毛だった。
……あ、瑠衣の髪か。
うっすらと瞼を持ち上げれば、エクルベージュ色の綺麗な髪が、カーテンの隙間から差し込む陽の光に照らされている。
きらきらと光を通すその髪をゆっくりと触っていると、腰に回った瑠衣の腕の力が僅かに強くなった。
向かい合うように横になっている私たちの身体には隙間はあまりない。
私の胸あたりに顔を埋めて眠っている瑠衣が少し身じろぎしたので、瑠衣の髪が私の地肌を滑るように動く。
「ふふっ」
くすぐったさに我慢できずに声がもれた。