ふしだらな猫かぶりからの溺愛
それにRUIさんの手がわずかに反応した。
……あっ、まずい。
足を止めたRUIさんが振り返り、目が合う。
と、その美しい顔が急に距離を縮めてくる。
気づいたときには唇に触れるひんやりとした感触と、目蓋を閉じた近すぎるRUIさんの顔だった。
RUIさんの目がうっすらと開き、綺麗な人は睫毛まで綺麗なんだ……なんて思いながら、
ゴン!と鈍い音を立てて離れた。
「痛っ……!」
RUIさんが繋いだ手とは逆の手でおでこを押さえて、驚きに目を見開いていた。
「え〜、なんで?」
「なんでじゃないですー!何するんですかぁ!」
私の頭突きの意味を理解してないRUIさんが不満そうに口を尖らせる。