ふしだらな猫かぶりからの溺愛
荒い呼吸を二人で整えながら、今度は私が瑠衣の均整のとれた身体に頬を寄せる。


この男は顔だけじゃなくて身体のバランスまで美しく、そして、虹色のような七色の音をその声で操る。

どこをとっても完璧だ。

私は低音が苦手で、自分の出せる音域はそんなに広くない。
作る曲の表現にも制限がつくし、そういう事が私よりも自由な瑠衣の声はとにかく大好きで羨ましい。


「ずるい……」

「ん〜?なに?」

「なんでもないっ、私、もう起きる!瑠衣とまったりしてたら今日一日が終わっちゃうもん」

「えぇー、いいじゃんこのままで、仁那の肌しっとり柔らかくて気持ちいいからずっと触ってたい」

そう言って、私の肩から背中にかけて瑠衣の手が滑るように動く。

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