ふしだらな猫かぶりからの溺愛
まぁ、私の場合は一般の人が使う日も予約して、だいたいここを使っているけど。

有名になればなるほど、有名人しか借りられないスタジオや、ここみたいにいくつも部屋があるところじゃなくて1グループ貸切でレコーディングも出来るスタジオを借りるから、ここを使うのは珍しい。


「今日もいつものとこだからねー」

「はぁーい、ありがと」

カギを受け取って地下の部屋に向かう。


そこら2時間くらいほとんど休まずにギターの練習をして、そろそろコーヒーが欲しくなった私は一度休憩がてら外に出ることにした。


そういえば、誰か有名人が来てるんだっけ?

やっぱり一度部屋に入って練習を始めると防音の部屋では外の音も聞こえないし、気づくこともない。


ちょっと、興味あったんだけどなぁー。

1階へと階段に足をかけたとき、別のスタジオから1人男性が出てきた。


その男性は細身の体型で、綺麗めな服装の……。



目が合った瞬間――、


ガタガタッと階段を踏み外した。


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