ふしだらな猫かぶりからの溺愛

「あっつい〜！溶ける〜」

スタジオまでの道を直射日光を浴びてバテる私を見て、

「仁那、日傘は？それか帽子」

心配そうに横を歩く神奈が見下ろしてくる。

「今日どっちも家に忘れてきたの……朝バタバタしてたからさぁ」

「お前、芸能人なんだから日焼け気をつけろよ」

「いいんだよー、顔出ししないもん。そう言う神奈だって帽子かぶってないじゃん」

「俺は髪が潰れるからいいんだよ」

「ふふっ、どっちもいいんじゃん」



スタジオに戻ってくると涼しい空気を堪能するように着ていた服をパタパタと仰ぐと、神奈が慌てて止めに入る。

「こらこら、やめろっ。腹が見えるだろ」

「はぁーい」

そんなに嫌そうにしなくてもいいのに、失礼だなぁ。