ふしだらな猫かぶりからの溺愛
突然パパみたいなことを言い出した藍に軽く笑う。

「藍までそんなパパみたいなこと言う〜、大丈夫だって!誰も私なんか気にしないから」

「あんたがそんな感じだから仁那パパは心配なんでしょうが……」

「あのー」

「え?」


入り口付近でそんな言い合いをする私たちが邪魔だったのか、男の人二人組に声をかけられた。


「君たち二人?ここ入るの?」

「あ!ごめんなさいっ、お兄さんたちも入ります?邪魔でしたよね」

「あぁ、いや!そうなんだけど、君たちも二人なら一緒に入らない?」


邪魔にならないように横に避けたけど、どうやらそれだけじゃなかったみたいだ。

藍がどうする?と目で訴えてくる。

今断ったところで、結局行く場所は同じだからあまり意味がない気がする。

まぁ、ここのライブハウスに来るくらいだから同じ音楽好きな人だろうし、変な人も少ないみたいだから入るくらいいいかな。
中に入ればお店の人の目があるから安全だし。

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