ふしだらな猫かぶりからの溺愛
そこにはやっぱり以前と同じお兄さんがカウンターの中にいて、目が合った瞬間に大きく見開かれた。
「あ!RUIが迫ってた子!」
「なっ……」
とんでもないことを口にするその人に思わずズッコケそうになった。
藍がいなくてよかった……。
フロアで曲を聴く少し離れたところにいる藍を振り返る。
「あの、お兄さん……なんか誤解して」
「え?だってRUIがコーヒーより欲しそうにしてなかったっけ?」
「そそそそんなわけないじゃないですか……っ」
「またまたぁ、だって」
何を言い出すかと思えば、ずいぶん誤解と勘違いをしてそうなお兄さんに必死に訂正しようとするのにぜんぜん話を聞いてくれない。
そんなカウンター内のお兄さんの視線が私の後ろへスッと移る。
「なんだ?お前もこの子狙ってんの?」
それは私に向けられた言葉じゃない。
私の後ろにいる人に……、言葉に合わせて振り返るとそこには。
「神奈……さん?」
ashの人。黒髪の前髪が少し汗でおでこに貼りついている、なぜか軽く息を切らせた神奈さんが立っていた。
「あ!RUIが迫ってた子!」
「なっ……」
とんでもないことを口にするその人に思わずズッコケそうになった。
藍がいなくてよかった……。
フロアで曲を聴く少し離れたところにいる藍を振り返る。
「あの、お兄さん……なんか誤解して」
「え?だってRUIがコーヒーより欲しそうにしてなかったっけ?」
「そそそそんなわけないじゃないですか……っ」
「またまたぁ、だって」
何を言い出すかと思えば、ずいぶん誤解と勘違いをしてそうなお兄さんに必死に訂正しようとするのにぜんぜん話を聞いてくれない。
そんなカウンター内のお兄さんの視線が私の後ろへスッと移る。
「なんだ?お前もこの子狙ってんの?」
それは私に向けられた言葉じゃない。
私の後ろにいる人に……、言葉に合わせて振り返るとそこには。
「神奈……さん?」
ashの人。黒髪の前髪が少し汗でおでこに貼りついている、なぜか軽く息を切らせた神奈さんが立っていた。