ふしだらな猫かぶりからの溺愛
cocoa brown -6年前-
「頬っぺた柔らかそ〜」
「6弦ミュートが上手く出来なくて」
「見てると仁那はネックを指先で押さえようとする感じに見えるな」
「噛んだらダメかな」
「え?違うの?親指もあわせて押さえるかんじ」
「押さえようと思うより握るってほうがいいと思う。そのほうがポジションを意識しすぎなくてスムーズにできる」
「舐めるのでもいい」
「なるほど〜、ありがと神奈さん!わかりやすい……ってRUIさん近い〜っ!!」
「こら、るーくん。仁那にセクハラするなよ、無理言って来てもらってるんだから」
狭い練習用スタジオの床に座る私の横。
身体をぴったりと寄り添わせて顔を覗き込むRUIさんは、ギターもなにも持っていなくて胡座をかいていても分かる長い足で私の身体を囲うように座っている。