ふしだらな猫かぶりからの溺愛
「それをるーくんが仁那優先してこっち来るなんてほんと驚いたよな〜!」

モモタが感心したように、私と隣でうつらうつらと眠そうにしているRUIさんを交互に眺めてくる。

「ああ、仁那がいるとほんとにRUIの悪い癖出なくて助かるよ」

神奈さんまでもそんな事を言うけど、私はなにもしてないんだけどなぁ。


「RUIさんみんなが困ってるからあんまりヤンチャなことばっかりしちゃダメだよ?」

「ん〜、仁那がいてくれたらしなぁ〜い」


とうとう私の肩に頭を乗せて目を閉じたRUIさんのふわふわの髪が頬にあたってくすぐったい。

とんでもない甘えん坊な困った大人にずいぶんと気に入られたようだった。

大人……そういえば、

「RUIさんたちはいくつなの?私よりも大人なことはわかるけど」

「俺たちは19だよ〜」

「そうなんだ!私の3つ上なんだねー」

私はまだRUIさんたちのことを何もしらない。年齢すらも知らなかった。

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