ふしだらな猫かぶりからの溺愛
「あ〜っ、RUIさんそこバレリーナの脚だよー!逆さまにしないでー」

「なるほど、バレリーナか。ごめんね〜」

そう言ってRUIさんはそっと逆さまになったバレリーナを元のように座らせてくれた。


「あ……うん、そんなに言うほどでもないんだけどね、ありがと……」

私が癖で作ってその辺に適当に置いていた紙ナプキンのバレリーナを、そんなに丁寧に扱ってくれる姿に少し拍子抜けして、声も小さくなってしまった。

ただ、逆さだとスカートがめくれて恥ずかしい体勢に見えるから言っただけなんだけど。


「私こういうとこに来ると癖でよく紙ナプキンでバレリーナ作っちゃうんだぁ、それでよく藍にも怒られるんだよー」

紙の無駄遣いでしょ、って。


「ふーん、仁那の変な癖可愛いーねー」

「全然可愛いところはないと思うけどね」

RUIさんは私が何をしても可愛く見えるんだろうか?目がおかしくなってるのかも……、と真剣に悩んでいるとモモタが会話に入ってきた。

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