【短編】きみとわたしと、ポテトチップス
「俺と付き合ってくれませんか、…せつか先輩」
その瞳は相変わらず私を見つめているけれど、その手はやけに震えていて、それが私も同じだということに気付いて、愛おしくてたまらなくなる。
ねえ、私たち、上手くやれるかな。一緒に幸せになれるかな。
……なれなくても、いいのかな。
下手くそでも、不幸せでも、それでも私はたぶん、あなたと一緒にいることを望むんだろうな。
ねえ、あなたも、同じ気持ちだったらいいのにね。
「……うん、付き合う、彼女になるっ……」
「………あーあ、また泣く」
面倒臭そうに涙を拭うくせに、それがちっとも嫌そうじゃなくて、ずるいなあと思った。
嫌でも実感してしまうじゃないか。
───私はきみに、ひどく愛されているのだと。
Fin.