俺様天使の助手になりまして
コスプレではありません
[コスプレではありません]
『今日は、一日中傘の要らない日になるでしょう』
今朝見た情報番組で天気予報のお姉さんが言っていた通り、雲ひとつない青い空が広がっている。
「もう梅雨明けしたのかな」
学校の帰り道。神社に寄るために、制服のまま鳥居を潜ってのんびりと呟いた。風にざわめく木々からは、蝉の鳴き声も聞こえてくる。
夏の始まりを予感しながら、石段を上がっていく。神社は山の上にあって、とてつもなく長い石段だから、徐々に息が切れてくる。たったの二週間、ここに来なかっただけなのに。
息を切らして登り切ると、こじんまりとした境内が目に入る。祭りの時以外は誰も来ない小さな神社は、私のお気に入りの場所で、高校に入学して以来毎日のように来ている。
小さな祠にあるお賽銭箱に一円を投げ入れて引き戸を開ける。真ん中に鎮座するご神体の鏡に一旦お辞儀をして、隠してある愛用の竹刀を取り出した。
二週間ぶりに触るそれはしっくりと手になじみ、少しの興奮を覚えながら素振りを始める。
静かな境内に、ひゅんひゅんと風を切る音が響く。
『今日は、一日中傘の要らない日になるでしょう』
今朝見た情報番組で天気予報のお姉さんが言っていた通り、雲ひとつない青い空が広がっている。
「もう梅雨明けしたのかな」
学校の帰り道。神社に寄るために、制服のまま鳥居を潜ってのんびりと呟いた。風にざわめく木々からは、蝉の鳴き声も聞こえてくる。
夏の始まりを予感しながら、石段を上がっていく。神社は山の上にあって、とてつもなく長い石段だから、徐々に息が切れてくる。たったの二週間、ここに来なかっただけなのに。
息を切らして登り切ると、こじんまりとした境内が目に入る。祭りの時以外は誰も来ない小さな神社は、私のお気に入りの場所で、高校に入学して以来毎日のように来ている。
小さな祠にあるお賽銭箱に一円を投げ入れて引き戸を開ける。真ん中に鎮座するご神体の鏡に一旦お辞儀をして、隠してある愛用の竹刀を取り出した。
二週間ぶりに触るそれはしっくりと手になじみ、少しの興奮を覚えながら素振りを始める。
静かな境内に、ひゅんひゅんと風を切る音が響く。
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