俺様天使の助手になりまして

「えぇ!? これ、私を狙ってきたの!?」

「お前の他に誰がいる」

 確かに、周りには誰もいない。家もまばらだし。こんな暑い中を、こんなに何もない道を歩く人なんて私達以外いない。

「『義』わかりやすく言えば〝正しい心〟だ。お前は、誰よりも正義感が強いってことだろ。さっきの話の影響で飛んできたんだろうな」

 そうか、アクマ天使と違って、私も玉に狙われる立場なんだ。

 もしも助手である私が憑かれちゃったら、誰が玉を取り出してくれるの?

『他に方法がねぇ。俺を恨むな。運を恨め』って、例の悪を滅する弓矢で、ブスーッ!?

 そんな想像したら、変な汗が出てきた。

 絶対いやだよ。これから気を付けなきゃいけない。とはいっても、具体的にどうすればいいんだろうか。

「ね、ナビっちの反応遅かったね」

「あぁ。ったく、コイツにして失敗したぜ。大体が最初っから危うい奴だったんだ。着地ポイントの教会と神社を間違えるし。おいお前、もっとしっかり働け。壊すぞ」

 ナビっちを出して「危なかっただろうが」って、おでこに当たる部分にコツンとデコピンしている。

 ナビっちは、悶えるように、小さな羽を小刻みに動かした。
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