俺様天使の助手になりまして
彼氏だなんて、聞いてない!
[彼氏だなんて、聞いてない!]

 翌朝になり、トボトボと学校に向かいながら、頭の中は昨日起きたことで一杯になる。

 夢であってほしいと滅茶苦茶願ったのに、全然夢じゃなかった。あのアクマな天使は私が名前を名乗った後、一応説明をしてくれたのだった。

 天界の宝物庫で厳重管理していた筈の精玉が盗まれて、人間界にばらまかれたと。難しいことはよく分からなかったけれど、早く精玉を見付けないと、大変なことになるらしい。

 アクマ天使は、人間の魂に影響があるって言うんだ。魂って、命のことなのかな。

 大変なことだと思うけれど、何故に私が助手なのか。

 あの後、手の甲に変な印を付けられた。助手の印で、探すのに必要だって言っていた。

 二重丸に羽がついている形。

 ちょっと白っぽいけれど、こんなイレズミみたいなもの、先生にバレたらきっと反省文ものだ。

「あぁもぉ、はああぁぁぁ~」

 学校に着くなり、深いため息をついて机に突っ伏した。

 気分はブルーを通り越してグレーだ。ううん違う、真っ黒だ。

 時間を一週間くらい巻き戻してくれる青い猫型ロボットが欲しい。

 この際、何度だって期末試験受けてもいい。永遠に夏休みが来ないのは、イヤだけど。


「ね、朱里、どした?」
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