俺様天使の助手になりまして

「許せない! 私、犯人に一言言ってくる!!」

 憤るに任せて犯人のところに向かおうとすると、すかさずアクマ天使に襟をグッと捕まえられた。そのままぐいぐいエスカレーターの方へ引っ張られていく。

「ちょ、何で止めるの? アイツに言わなきゃ気が済まないよ!」

「バカかお前は。このままここにいちゃ不味いだろうが。事情聴取とか、面倒な事になるぞ」

「あーん、そうだった!」

 この騒動で一種の達成感があるけれど、真の目的はまだだった!

「じゃ、お婆ちゃんさよなら。体には気を付けてね!」

 引っ張られながら手を振ると、お婆ちゃんは焦ったような顔をした。

「あ、待ってちょうだい。あんたたち、お名前は?」

「君達待ってくれ。調書をとらないといけなんだ!」

「誰か! あの二人を引き止めてくれ!」

 お婆ちゃんに警備員ほか数人の声が「待って、待って」と、私たちの背中に飛んでくる。

 それを無視してエスカレーターを全力で駆け上がった。

 ゴメンナサイ! 今は時間がないのです!


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